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プロジェクト・天体シミュレーション

見えないものを見る・知る

しし座流星群

しし座流星群は33年周期で周回しているテンペル・タットル彗星が母彗星の流星群で、その周期で大流星雨が見られる可能性があります。実際、2011年11月19日には、一時間あたり数千個という大出現となりました。本CGでは、母彗星と地球との位置関係でなぜ33年周期で大出現があるのかを示しました。さらに、流星になる塵が、母彗星と共に軌道を周回しているという流星群本来の姿を示すために周回しながら軌道上に粒子群が広がっていく様子をシミュレーションしています。


  • 毛利勝廣,野田学,安田孝美,横井茂樹:しし座流星群の3次元C.G.による可視化と教育的活用,教育システム情報学会研究報告 pp.52-57,(名古屋市立大学,1999.12.11)

ヘール・ボップ彗星

1996年、ヘール・ボップ彗星の出現が話題になりました。ハレー彗星よりも大きく、街中でも肉眼で見えるほどに明るくなりました。本研究では、彗星の尾の描画に重点をおきました。尾の様子を科学的に予測するため、粒子の放出量等と粒子径や光圧を考慮するベッセル・ブレディヒン法に基づいて尾の予測シミュレーションを行いました。実際には、描画単位毎に約5000個の様々な大きさを持った仮想ダストを彗星の核から放出し、それぞれのダストの軌道を計算することによってダストの空間分布を求め、描画しています。

シューメーカー・レビー第9彗星の木星衝突

1994年7月にシューメーカー・レビー第9彗星(SL9)が木星に衝突しました。これは、人類が初めて体験する太陽系天体同士の衝突であり、とても注目された現象でした。そこで、本研究では、彗星の軌道を1900年までさかのぼり、太陽と9つの惑星の全ての重力を考慮して計算するなど、衝突への経緯を正しく表現しました。また、多角的な視点から衝突の様子を可視化し、太陽系の鳥瞰、木星を追いかける視点、地球から見た視点、軌道を固定した視点など、様々な視点からシーンを見ることができるようにしています。本研究は、第36回 科学技術映像祭 科学技術庁長官賞を受賞いたしました。


  • 東海彰吾,安田孝美,横井茂樹,鳥脇純一郎:CGアニメーションを 用いた宇宙現象のインタラクティブな可視化システムとシューメーカー・ レビー第9彗星の木星衝突現象への適用,テレビジョン学会誌 Vol.49, No.10, pp.87-96(1995)

土星の環の消失

1995年、15年ぶりの土星の環の消失がおきました。消失には、太陽の光が真横からあたることによって見えなくなる消失と、地球が環の真横に位置して見えなくなる消失の二通りがあります。本CGでは、太陽光とその影、半透明の土星の環を用い、さらに、名古屋市科学館天文台の65cm望遠鏡での土星の映像とも比較しながら、この二通りの消え方を可視化しました。